現代の子どもたちは、ソーシャルネットワークが不可欠な時代の中で成長しています。SNSなどのデジタルサービスを利用することで、社会生活を送ることが簡単になる一方で、オンラインヘイトのような新たな問題の原因にもなっています。誹謗中傷をまき散らすヘイターや荒らしから逃れるために、子どもたちは何ができるのでしょうか。どのようなツールがあり、ヘイターや荒らしと思われるユーザーを報告したりブロックしたりするとどうなるのでしょうか。
現代の子どもたちは、ソーシャルネットワークが不可欠な時代の中で成長しています。SNSなどのデジタルサービスを利用することで、社会生活を送ることが簡単になる一方で、オンラインヘイトのような新たな問題の原因にもなっています。誹謗中傷をまき散らすヘイターや荒らしから逃れるために、子どもたちは何ができるのでしょうか。どのようなツールがあり、ヘイターや荒らしと思われるユーザーを報告したりブロックしたりするとどうなるのでしょうか。
まず、アカウントをプライベートモードに設定して、見知らぬ人から検索されないようにします。厳しい設定にすることで、親しい友人や家族以外は、子どものプロフィールの検索とコンテンツの表示ができなくなります。また、実際に会ったことのない人からの友達申請は断るようにすることが推奨されます。
この2つのステップを実践すれば、ほとんどの有害なユーザーと安全に距離を保つことができます。しかし、プロフィールが非公開であっても、子どもたちが気をつけておかなければならないリスクは他にもあります。その1つが、相手に嫌がらせやなりすましをするために、ネット荒らしやヘイターたちがよく使う偽のプロフィールです。以下の項目に当てはまるプロフィールは、偽物である可能性があります。
1. プロフィール写真に顔が写っていない
多くの場合、荒らしやヘイターはオンラインそして現実の世界での責任を回避するために、自分の顔を隠します。お子さまには、「顔が見えない相手とは、ソーシャルメディアでの『友情』は生まれない」というルールを教えてください。
2. 共通の友人・知人がいない
共通の友人や知り合いがいない相手からの友達申請も拒否するべきです。
3. 過去の有害な行動
過去にソーシャルメディアにおいて有害な行動を取っていれば、それは偽アカウントであるか何らかの問題のあるアカウントであることを強く示しています。友達申請をしてきたユーザーが、以前に不適切なコメントや投稿をしていた場合は、関わってはいけないという警告のサインです。
4. フォロワーは多いのに、独自の活動をしていない
フォロワー数が多いにもかかわらず、エンゲージメントが少ない、あるいは他のページからのリポストばかりでオリジナルな活動をしていない場合は、ヘイターや荒らしが作成した偽アカウントの可能性が高いと言えます。また、投稿数が思った以上に少ない場合も、そのプロフィールが本物ではないことを示唆しています。
「アンチは何に対してもアンチ」
予防は強力な手段ですが、お子さまがすでにオンラインヘイトにさらされていたり、ヘイターの標的になっていたりしたらどうすればよいのでしょうか。「オンラインヘイトとは憎しみや混乱を広めることだけを目的としたアカウントによる意図的な行動である」と理解することが第一歩です。子どもがネット上で嫌がらせを受けている場合は、そのアカウントをブロックします。
ブロックしても別のSNSサービスで嫌がらせをし続けてくる場合には、ソーシャルネットワークで提供されている別のツールを利用します。つまり、悪意のある行為は、管理者/モデレーターに報告することができます。報告された情報は、悪意のある行為の被害者や目撃者によって利用されます。このような行為に報告は匿名で行うことができ、インターネットにおけるすべてのユーザーのセキュリティと快適性が向上します。
ソーシャルネットワークから通報者の情報を求められることがありますが、その情報が共有されることはありません。正式な申立の作成に使用され、ソーシャルネットワークが偽の報告と区別するのに役立ちます。
深刻なケースでの対処法
オンラインヘイトを回避することは簡単ではありませんが、上述したツールの多くは、ある程度の不安を取り除いてくれます。しかし、ヘイター、荒らし、ネットいじめの加害者が極めて執拗であることも珍しくなく、憎悪、脅迫、攻撃をデジタル世界から現実世界へと持ち込みます。特に、子どもと学校や放課後の活動が同じである場合、その傾向が顕著です。
このような場合、保護者や教師は、情報源であることを明かされたり、加害者の報復にさらされたりすることを心配せずに子どもたちが自身の経験を安心して話せる「安全な空間」を作ってあげてください。また保護者は、このような行為を学校や課外活動の指導者、あるいは責任を有する当局に報告することを検討してください。
オンラインヘイトやネットいじめは、身体的・精神的な被害やトラウマにつながる深刻な問題であるため、最悪のケースでは警察にも通報する必要があります。保護者は、加害者から送られたメッセージ、投稿、コメントなどの悪意のあるコンテンツを削除しないように子どもにアドバイスしてください。これらのコンテンツは、その後の訴訟で重要な証拠となる可能性があります。
信頼関係の構築
子どもたちにとって、オンラインヘイトなどの嫌な経験を親に話すことは簡単ではありません。子どもに何か悪いことが起こっても、親はヒステリックに反応したり抑圧しようとしたりしないことを、親は常日頃から態度で示しておく必要があります。そうすることで、親は子どもとの間に信頼を築くことができます。「問題を共有することで、問題は半減させられる」という言葉を覚えておいてください。