子どもはスマホゲーム依存?やり過ぎや高額課金などの危険を回避するには
子どもも日常的に遊んでいるスマートフォン(以下、スマホ)やタブレットのオンラインゲームですが、のめり込みが心配な保護者も多いのではないでしょうか。
オンラインプレイヤーの多くは、仮想世界や他のゲーマーとの冒険を愛する真の愛好家ですが、悪意を持った人がグループに紛れ込むこともあります。若いゲーマーにとっては、失うものも大きくなります。
攻撃者の多くは金銭が目的で、標的になるのは他のゲーマーのアカウントです。アカウントには通常、クレジットカード情報などの機密情報が含まれています。さらに、ゲーム内購入には何十億ドルものお金が費やされているため、子どもが収集しているキャラクターの特別アイテムの中には、サイバー犯罪者にとって大きな価値があるものもあります。
金銭目的の攻撃者以外にも、他のゲーマーをコントロールしたり、嫌がらせをしたり、いじめたり、やる気を失わせたりするために、あらゆる手段を講じる者がいます。
ゲーマーを狙った攻撃の主な手法:
気の短さや欲深さといった人間の弱みに付け込むさまざまな手法を用いて、攻撃を仕掛けてきます。
- ソーシャルエンジニアリング
新しいゲームは高価であるため、経済面で親に頼っている若いゲーマーは、最新のゲームタイトルを買い揃えられず、周りのゲーマーから取り残されたと感じることがあります。そのような子どもは、ソーシャルエンジニアリング攻撃に対して脆弱になります。
攻撃者はこのことをよく知っており、最新ゲームの無料版を提供すると言って誘います。しかし、実際には胡散臭いフォーラムやサイト、特定のリンクからしか入手できないようになっています。ゲームを入手できたとしても、そのゲームが危険なマルウェアに感染していて、監視されたり、重要なデータが暗号化されたり、ゲームデバイスのセキュリティが侵害されたりする可能性があります。
若いゲーマーは競争心が強く、対戦相手を打ち負かすためには不正な行為(チート)もいとわないことがあります。しかし、チートは他のゲーマーにとって迷惑なだけでなく、自分自身も危険にさらすことになります。なぜなら、攻撃者はこうした状況を利用して、指定した手順を実行したり、特定のWebサイトやフォーラムにアクセスしたりすれば、チートの方法を教えると約束し、機密情報を聞き出そうとするからです。
- ゲームおよびゲーミングプラットフォームに対する攻撃
攻撃の標的となるのはゲーマーだけではありません。場合によっては、ゲーミングプラットフォームやゲームそのものが標的となります。よく見られるケースとしては、プラットフォームのサーバーに大量の偽トラフィックを送信してダウンタイムを発生させるDDoS攻撃、プレイヤーのアカウントパスワードの窃取/推測、ゲームタイトルの偽ページを作成してマルウェアに感染させたり、個人情報や財務情報を盗み出したりすることなどが挙げられます。
ゲームやゲーミングプラットフォームが攻撃された場合にプレイヤーが受ける影響は、短時間のダウンタイムやパスワードの変更要求といった軽微なものから、機密情報や個人情報の盗難などの深刻な問題まで多岐にわたります。このような攻撃の影響を軽減するには、適切なサイバーセキュリティ対策を実践することが有効です。
安全にプレイするには
ゲームをするお子さまがトラブルに巻き込まれないようにするためには、デバイスの正しい設定方法を教え、以下の最善の方法を実行するように促してください。
1. ゲームは購入する
最新のゲームタイトルを無料でダウンロードできるのは魅力的ですが、大きなリスクを伴います。人気ゲームの「無料版」のダイレクトリンクやtorrentは、攻撃者が意図的に拡散させた感染ファイルとつながっていることがよくあります。どうしても最新のゲームを手に入れたい場合に鍵となるには、忍耐力です。イースター、ブラックフライデー、クリスマスなどのイベントまで待てば、通常価格よりも安い特別価格で購入できます。また、発売されたばかりのゲームの中古品を販売している信頼できる業者が数多く存在するので、そちらを利用しましょう。
2. アップデートとパッチ
使用しているのがスマートフォン、タブレット、高性能コンピュータのいずれかであっても、ゲーマーはデバイスを常に最新の状態に保つ必要があります。これは、オペレーティングシステム、ゲームクライアント(Steam、Originなど)、ゲームソフトだけでなく、ブラウザなどその他のプログラムについても同様です。
3. セキュリティソリューションの使用
ゲームデバイスは、攻撃の検知とブロック、危険なリンクの識別、侵入しようとするマルウェアの確実な除去の機能を搭載した、信頼性の高いセキュリティソリューションによって常時保護する必要があります。なお、現在のほとんどのセキュリティソリューションには、ゲーム中の遅延や中断といった障害を回避するためのゲーミングモードが搭載されています。
4. 強力なパスワードと2FA(2要素認証)の使用
パスワードの総当たり攻撃は、攻撃者が得意とするところです。したがって、長くて強力なパスワードを使用すれば乗っ取られるリスクを大幅に削減できます。信頼性の高いパスワードマネージャーを使用すると、秘密のコードを生成し、そのすべてを1か所に安全に保管できるため、セキュリティが強化されます。
また、できる限り2FA(2要素認証)を有効にしてください。これにより、攻撃者によってパスワードが推測されたとしても、ハッキングを阻止することができます。
5. チートはしない
チート行為によって、ゲームが簡単になるかもしれませんが、他のプレイヤーのゲーミングエクスペリエンスを台無しにするばかりか、プレイヤー自身がさまざまな脅威にさらされる可能性があります。ズルいことはせずに、フェアなやり方でプレイしましょう。
6. 怪しいオファーには乗らない
うますぎる話には裏があります。デジタルの世界ほど、この言葉が当てはまる領域はありません。すでに多くのゲーマーが、無料ゲームや特別アイテムなどの甘い言葉に誘われて罠にはまり、代償を払わなければならなくなっています。
7.年齢に合ったゲームを選ぶ
子どもにとって安全なゲーム環境を選択する際には、親であるあなたが門番になる必要があります。専門家のフォーラムやアドバイスを参考にしてください。PEGIでは、ビデオゲームの年齢適合性と内容に関する情報を提供しています。
8. 子どもの人生がゲームに支配されていませんか?
子どもはデジタルゲームやオンラインゲームが大好きです。ゲーム中は、まるで催眠術にかかっているかのように夢中になっています。そのような子どもにゲームを止めさせるのは簡単ではありません。ゲームは、プレイヤーにそのように作用するように設計されています。
お子さまのゲームのやりすぎが気になる場合は、以下の点について考えてみてください。
- お子さまはゲーム以外の趣味や余暇の過ごし方を持っていますか?
- お子さまはゲームをしているときだけ楽しそうにしていますか?
- お子さまはよく眠り、よく食べていますか?ゲームのやりすぎで、お子さまのライフスタイルが不健康になっていませんか?
- ゲームを優先するあまり、友達を失ったり、他のことに興味を持たなくなったりしていませんか?
- 学校の勉強に影響はありませんか?
- ゲームを頻繫にするようになる前と比べて、イライラしたり、攻撃的になったり、落ち込んだりしていませんか?
お子さまにとってゲームが問題であるか、中毒性があるかを判断する要素は、スクリーンタイムだけではありません。問題のあるゲームや中毒性のあるゲームに関して最も重要な要素は、子どもの生活においてゲームがどの程度優先されているかです。ゲームが最優先になっている場合には、ゲーム時間を測定する明確かつ厳格なルールを慎重に設定して、お子さまがクリエイティブな活動を行い、社会性を保てるだけの十分な時間とエネルギーを確保できるようにする必要があります。さまざまなことに興味を持ち、自尊心を保つことができれば、子供たちは楽しく遊び、安全に過ごすことができます。
予防に勝る治療はありません。現時点でお子さまに問題が見られなくても、健康的にゲームを楽しむための明確なルールを決めておくことをお勧めします。
最後に・・・パニックになる必要はありません!子どもがゲーム依存症になることはむしろまれです。